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プログラムの内容(2017年度)

[1年目]

☆基礎力養成コース(2017年度)

静岡キャンパスで実施します。

■メインレクチャー
工学や生物学など、テーマごとに先端研究を知り、それについて考える講義です。
■サブレクチャー
研究に必要な基本的知識・技術について、講義を受け、演習などを行います。
■ワークショップ
科学に関するテーマを取り上げ、小グループに分かれて討論をします。

*1
月1回、日曜日開校。
止むを得ない理由で欠席した場合は、静大TVで配信される授業をweb上で受講ください。
2月は、休講です。

講義内容(2017年度)

2017/08/18(金) 活動報告
寺西 信一 (電子工学研究所)
記念講演会「イメージセンサ開発に従事して 一部:イメージセンサとは;二部:心掛けていること」
 前半では、イメージセンサについて説明します。カメラなどの機器で用いられ、レンズで結像した光学像を画像信号と呼ばれる電気信号に変換する半導体デバイスです。空間的に2次元の光学像を電気信号に変換するために、シリコン上に画素が2次元に配列されています。画素には、光信号を信号電子に変換するフォトダイオード、信号電子を信号電圧に変換する電子検出部、信号電圧を順次読み出す走査部が設けられています。
 後半では、日常心掛けていることを述べます。第一は、わからないこと、知らないことの方がはるかに多いということです。学校では、わかっていることを体系立てて教えるためなのか、このことは意外と認識されていません。第二は、課題の単純化をどう行うかです。実際の現象は無数の要因で成り立っていますが、科学は単純化することで法則を見出してきました。第三は、データを見える形にし、理解しやすくするためのツールであるグラフの書き方についてです。同じデータであってもグラフの書き方により大きく変貌します。


2017/09/10(日) 活動報告
木谷 友哉 (情報学部)
メインレクチャー「実世界と電脳空間をつなぐ電子情報技術」
 コンピュータに人間のように現実世界の事象を認識させて計算させるにはどうしたらいいのでしょうか。カメラや加速度センサで対象をセンシングすると言っても、コンピュータ内部でデータは0と1の離散な値で表現されますが、現実世界はもっと連続しています。自分たちで現実世界から質の高いデータを取り出すにはどうすればいいのでしょうか。当方の研究室の設備や環境、実際に取得しているデータの話も交えて、お話しします。

2017/09/10(日) 活動報告
三浦 有紀子 (学長補佐室)
サブレクチャー「研究提案書作成法」
 「研究」をするには、何が必要でしょうか。研究をする場所、協力してくれる人、機材等を調達しなければならないでしょう。そのために、まず研究者がやることは、研究の意義を理解してもらうための説明です。研究者を目指す人のために、基本的な「説明の仕方とコツ」をお教えします。


2017/10/29(日) 活動報告
成川 礼(理学部)
メインレクチャー「物理学と化学が駆動する光生物学への招待」
 生物学は、分子レベルから生態学レベルまでの様々な階層の生命現象を解き明かすための学問であり、そのためには、数学、物理学、化学、統計学など様々な学問領域の知識・技術が必要となることが多い。中でも、物理学・化学と生物学は密接に関連し、それぞれ生物物理学、生化学という境界領域が古くから確立されている。演者は、生物と環境との相互作用に興味を持ち、中でも光合成生物と光に着目し、その相互作用について研究している。光はその光質(色)、強度、照射時間・場所を厳密に定義でき、かつ、制御できるツールである。一方、光合成生物は光をエネルギーとしているため、最重要な情報として感知する高度な光応答機構を備えている。演者は、これらの特徴を活かして光合成生物の光応 答機構の解明に取り組んでいる。本講演では、生物物理学と生化学を駆使することで、光応答機構が詳細に解明される一連の流れを分かりやすく紹介したい。

2017/10/29(日) 活動報告
田中 伸司 (人文社会科学部)
サブレクチャー「研究倫理入門 ―よき研究者を目指して―」
 研究に係る日本の代表的な専門職倫理としては、日本学術振興会(「科学の健全な発展のために」)や日本学術会議(「科学者の行動規範」)があります。これらは社会からの負託に応えるという理想を掲げて書かれていますが、内容としては「必要最小限の行動規範」です。しかし、研究倫理は本来「〜すべからず」集ではありません。研究倫理とは、よき研究者であるための自己確認・自己肯定のプロセスです。どのような研究者でありたいと思うのか、この授業を通じてじぶんのスタートラインを確かめてください。


2017/11/05(日) 活動報告
朝間 淳一(工学部)
メインレクチャー「磁気浮上電磁モーターの研究」
 静岡大学工学部機械工学科の朝間研究室では、回転部分が磁気力によって浮上する磁気浮上電磁モータの研究を行っている。回転体を磁気浮上させるには主に機械工学・制御工学の学習が必要であり、回転させるには電気電子工学・パワーエレクトロニクスの専門知識が必要である。さらに、磁気浮上電磁モータを人工心臓などの医療機器に応用する場合には、生体医工学の基礎的な知識も必要となる。本発表では、磁気浮上電磁モータの研究内容、および研究を通して分野横断的・多面的な見方の重要性についてわかりやすく説明する。

2017/11/05(日) 活動報告
山極 芳樹 (工学部)
サブレクチャー「宇宙開発の歴史とこれから:宇宙エレベーターが開く新たな宇宙開発の時代」
 最初の人工衛星が打ち上げられてから今年で60年、その間、宇宙開発は人類に様々な恩恵をもたらしてきましたが、宇宙へ自由に行き来できるという状態までは至っていません。宇宙エレベーターは、それを可能にする夢の宇宙輸送システムとして近年注目を集めています。本レクチャーでは、宇宙開発の歴史を概観するとともに、注目の宇宙エレベーターについて、その仕組みと研究開発の現状、我々のグループの超小型衛星を使った宇宙での技術実証の取り組み等について解説します。


2017/12/10(日) 活動報告
朴 龍洙 (農学部/グリーン科学技術研究所)
メインレクチャー「カイコバイオテクノロジー」
 カイコは、人類と生活を共にした家畜です。特に日本はシルクの大輸出国として、現在の近代化を築き上げました。この講座では、カイコの生物学、分子生物学について紹介します。また、カイコが現在のバイオテクノロジーにどのような役割を果たしているのか、カイコが開いたバイオテクノロジーを含め、カイコの過去現在未来を概説します。

2017/12/10(日) 活動報告
竹内 浩昭 (理学部)
サブレクチャー「統計処理入門」
 世の中にはさまざまな情報とデータが溢れています。ビッグデータといわれる莫大な量の情報を集約する場合や、比較的少数の観察資料や実験データから情報の全体像を推測する場合もあるでしょう。この情報の集約や全体像の推測に必要なのが、統計学・統計処理です。情報の集約に関わる「記述統計学」の例は、小学校〜高校で習ってきた平均値や分散、偏差値などにみられます。全体像の推測に関わる「推測統計学」の例は、料理の味見に一口食べてみることや、選挙の開票率5%でも当選確実を出せるニュース速報にみられます。この講義では、統計学・統計処理とはどんなものか、確率の考え方、情報・データをどのように集約するべきか情報・データからどのようなことを考えるか、などを概説する予定です。


2018/01/21(日) 活動報告
Dur Gaël (理学部)
メインレクチャー「すばらしきコペポーダ・ワールド」
 私たちの母なる地球はその表面積の70%以上を海・湖・川の水域に覆われ、水域がこの惑星で最大の生息地となっている。この水域には、クジラやイルカのような大きな哺乳類から膨大な数の微小生物まで、さまざまな形や大きさの生き物が多様な生活様式で暮らす。これらの微小生物はプランクトン(浮遊生物)と呼ばれ、サイズが小さいものの、地球上の全生物の中で最も重要な位置を占める。プランクトンは、植物プランクトンと動物プランクトンに分けられる。動物プランクトンの70%以上を占め、水域で最も豊富かつ広範に存在する種のひとつがコペポーダ(ケンミジンコなど曉脚類に分類される小型甲殻類の総称)である。この講義では、この小さな甲殻類コペポーダについての普遍的な特徴やその重要性、それらを研究する方法などを紹介する。また、具体例として、コペポーダの遊泳行動に関する科学研究を紹介する。
「The amazing world of copepods」
 Ocean, lakes, and rivers cover more than seventy percent of our mother earth, making water the largest habitats on the planet. This water is home to plenty of life form with a great variety in shape and size ranging from big mammals like whales and dolphin to a vast number of microscopic organisms. These microorganisms are called plankton. Despite their small size, planktonic organisms are the most important of all life on the planet. Plankton encompasses a vegetal component called phytoplankton and an animal component, the zooplankton. Copepods make up over 70% of the zooplankton and are one of the most abundant and widespread species in the aquatic realm. This lecture will present some generalities about this tiny crustacean, its importance and the way to study them. I finish the lecture by providing an example of scientific studies conducted on the swimming behavior of copepod.

2018/01/21(日) 活動報告
澤渡 千枝 (教育学部)
サブレクチャー「セルロース科学と社会」
 物質としてのセルロースから社会を見る。セルロースは有史以前から自然の産物として地上に存在し人類とは切っても切れない関係にあります。エジソンの白熱電球のフィラメント、人造絹糸、食品・化粧品の増粘剤、セルロースナノファイバーなどなど、時代の移り変わりとセルロースの「変身」を概観します。


2017年度 カリキュラムと講義内容(エクセル)
カリキュラムと講義内容(PDF)

☆研究力養成コース(2017年度)

静岡キャンパスもしくは浜松キャンパスいずれかで実施します。*2
大学の研究室に配属され、指導教員の下で研究活動を行います。

【A】自己推薦 ・ 一般型

コーディネーターの指導の下、研究計画書を作成するところから始めます。

【B】自己推薦 ・ 自主研究推進型

自分の研究テーマに適合する研究室に配属されます。

【C】学校推薦 ・ 連携活動型

自分の希望と高校の先生の意見を参考に、配属先を決定します。
*2●来学日は指導教員と相談して決めてください。

研究発表会(2017年度 2018年3月25日)

 活動報告静大TV映像

静大TV撮影版(27:40)

 

選抜(2018年3月)

次の年に継続して、活動を行うことにより、進展が見込め、成果が期待できるかを判定します。

[2年目]

☆発展コース(2018年度)

静岡キャンパスもしくは浜松キャンパスいずれかで実施します。*3
具体的な目標をもって、活動します。

目標の例

国際学会での研究発表
学術誌への論文投稿
科学オリンピック
科学賞など・・・

*3●来学日は指導教員と相談して決めてください。