つなげる力を養うということは?

 つなげる力はどうやって養ったらいいのでしょうか。

 それには、日頃から「意識をする」ことが肝心だと思います。

 学校で習う理科では、物理学、化学、生物学、地学と分野ごとに分けて習います。それぞれの科目の授業を理解し、興味を持って学習することはとても大事です。でも、それぞれが関係し合っていることを意識することはもっと大事です。それぞれ別物と思わずに、つながりを持ったものとして見てはどうでしょう。その気になって眺めてみると、多くのことに気づくはずです。理科の科目の間だけでなく、理科と数学や情報学との関係も見えてくるでしょう。技術・家庭科とのつながりにも目がいくかも知れませんね。

 では、学校で習う知識は学校の中だけで通用させるべきでしょうか。テストや実力テストで高い得点を取るための知識でしょうか。模擬試験や入試の過去問を解くためだけの知識でいいのでしょうか。大学入試という近い将来の現実と向き合う高校生であれば、「その通り」なのでしょう。それは理解できることです。しかし、少しだけ視点をずらしてみましょう。自然や身の回りの出来事に、習った知識をあてはめてみるのです。

 私たちは当たり前のように毎日を過ごしています。見るものや聞くものは、珍しくもなんともなく過ごしています。でも、よく考えてみるとどれも不思議なことに思えてきます。不思議なことには理由があるはずです。その理由を考える時に、自分の持つ知識をつかってみるのです。「ひょっとして、化学で習った○○と関係するのかな」とか、「なるほど、○○の原理の応用かもしれない」。このように考えられれば、知識は「生きた知識」となるのです。自然や身の回りの出来事を習った知識と関連づけて考える力—これもつなげる力のひとつだと思うのです。